会社の役員が変更となった場合、変更があった日から30日以内に、宅建業免許の変更届が必要となります。
対象となる役員の方は、株式会社の場合、次の方です。
- 代表取締役
- 取締役
- 監査役
役員に変更があった場合の届出は、意外と忘れがちです。
役員の方の個人的な書類を役所から取り寄せる必要もありますので、就任・退任の登記申請をしている間に書類を集めましょう。
役員変更届を提出せずに、ずっと放置していると、手続きができない可能性もありますので、注意してください。
役員変更手続きの注意点
役員変更手続きで注意したい点は、次の2つです。
- 今までの役員変更を含む全て変更届が提出されているかを確認する
- 新しく役員になる方は、事前に役員になれない項目に当てはまらないかを確認する
順番に解説します。
今までの役員変更を含む全て変更届が提出されているかを確認する
役員を変更すると変更届が必要なことは、意外と忘れやすい手続きです。
変更届には、新しく役員となった方に取得してもらう又は委任状を書いてもらい取得する書類があります。
新しく役員となった方が現在も在籍している場合は、書類を取得することができますが、すでに辞めている場合は、その方の書類を取得できず、変更届が提出できない場合も考えられます。
今回の役員変更のときに、過去の役員変更の手続きをおこなっているか確認しましょう。
また、役員変更以外にも、次のような場合には、変更届が必要となります。
- 商号又は名称の変更(社名変更、組織変更)
- 主たる事務所(本店)の変更(所在地の移転、電話番号、事務所の使用する範囲の変更)
- 従たる事務所(支店)の変更(新設、所在地の移転、名称、電話番号、事務所の使用する範囲の変更、廃止)
- 政令使用人(営業所の責任者)の変更(就任、退任、氏名変更)(事務所間の異動を含む。)
- 専任の宅地建物取引士の変更(就任、退任、氏名変更)(事務所間の異動を含む。)
変更届を提出していない事項がありましたら、すぐに提出しましょう。
新しく役員になる方は、事前に役員になれない項目に当てはまらないかを確認する
宅建業免許の条件の1つに役員の方が、下記に当てはまらないかというものがあります。
- 過去に宅地建物取引業免許を受けていた者で、監督処分による宅地建物取引業免許の取消を受け、5年経っていない場合
- 過去に宅地建物取引業免許を受けていた者で、監督処分による宅地建物取引業免許の取消の聴聞通知を受けたが、取消処分決定前に自ら廃業を行い、5年経っていない場合
- 過去に宅地建物取引業に関し不正または著しく不当な行為を行い、5年経っていない場合
- 刑事裁判において、裁判所から有罪判決を受け、禁錮以上の刑に処せられ、5年経っていない場合
- 宅地建物取引業法・暴力団員による不当行為防止法・暴力行為等処罰に関する法・刑法に定める暴力事犯の違反により、罰金刑に処せられ、5年経っていない場合
- 心身の故障により宅地建物取引業を適正に営むことができない場合られた場合
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない場合
- 宅地建物取引業に関し不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな場合
- 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から 5 年を経過しない場合暴力団員等がその事業活動を支配する場合
- 免許申請書及びその添付書類中、重要な事項の記載が欠けている場合、または虚偽の記載がなされている場合
当てはまっているのに役員に就任させてしまうと、宅建業免許を維持できなくなる可能性があります。
役員の就任を考えている場合には、事前に確認しましょう。
従業員の方を役員にする場合は、問題なく確認できるかと思いますが、外部から役員として迎える場合は、注意が必要です。
個人的な部分のため聞きにくいかもしれませんが、宅建業免許の条件のひとつであることを伝えれば、納得して回答してもらえるはずです。
もし、回答してくれない・はぐらかす場合は、役員にするのはやめほうがよいかもしれません。
これから一緒に事業を運営していくために役員になってもらおうとしている方が、宅建業免許の重要な部分について回答してくれないということは、将来的なトラブルを引き起こす可能性も考えられるためです。
育ててきた事業をこのようなことでダメにしてしまってはいけないと思います。
役員の就任を考えている場合は、上記の項目を確認しましょう。
続いて、役員変更手続きの流れについて解説します。
役員変更手続きの流れ
役員変更手続きは、おおまかにいうと登記申請をおこない、登記完了後に愛知県・保証協会へ書類を提出するという流れになります。
詳しくは、次のように進めていきます。
まずは、次の2つについて確認します。
- 今までの役員変更を含む全て変更届が提出されているか
- 新しく役員になる方は、事前に役員になれない項目に当てはまらないかを確認
詳細は、役員変更手続きの注意点を確認ください。
役員変更に必要となる書類を準備します。
役員の方が就任する場合は、次の書類を役員の方に準備いただく必要があります。
- 印鑑証明書
- 身分証明書(身元証明)
- 登記されていことの証明書
管轄の法務局へ役員の変更登記をおこないます。
書類が準備できたら愛知県へ変更届を提出します。
変更届の提出期限は、変更があった日から30日以内です。
期限内に提出しましょう。
加入している保証協会へ変更届を提出します。
役員変更手続きの必要書類
宅建業免許でおこなう役員変更手続きの必要書類は次の3つのケースにわけて解説します。
- 役員がやめた(辞任・退任)
- 役員を追加する(就任)
- 役員を交替する(就任・退任)
①役員がやめた(辞任・退任)
役員が辞任または退任した場合の必要書類は次のとおりです。
必要書類 | 備考 |
業者名簿登載事項変更届出書 | 愛知県都市総務課のホームページからダウンロード |
履歴事項全部証明書 | 法務局から取得 |
②役員を追加する(就任)
役員を追加する場合の必要書類は次のとおりです。
必要書類 | 備考 |
業者名簿登載事項変更届出書 | 愛知県都市総務課のホームページからダウンロード |
略歴書 | |
誓約書 | 愛知県都市総務課のホームページからダウンロード |
身分証明書(身元証明書) | 本籍地の市区町村役場で取得 |
登記されていないことの証明書 | 名古屋法務局または東京法務局にて取得 |
履歴事項全部証明書 | 法務局から取得 |
※役員となった方が営業所の責任者(政令使用人)や専任の宅建士になっていた場合は、下記の書類は必要ありません。
- 身分証明書
- 登記されていないことの証明書
③役員を交替する(就任・退任)
役員を交替する場合の必要書類は次の通りです。
必要書類 | 備考 |
業者名簿登載事項変更届出書 | 愛知県都市総務課のホームページからダウンロード |
略歴書 ※役員になる方のもの | |
誓約書 | 愛知県都市総務課のホームページからダウンロード |
身分証明書(身元証明書) ※役員になる方のもの | 本籍地の市区町村役場で取得 |
登記されていないことの証明書 ※役員になる方のもの | 名古屋法務局または東京法務局にて取得 |
履歴事項全部証明書 | 法務局から取得 |
※役員となった方が営業所の責任者(政令使用人)や専任の宅建士になっていた場合は、下記の書類は必要ありません。
- 身分証明書
- 登記されていないことの証明書